韓くにの風と人(1969→1979)
藤本巧写真集 

大島 渚


陋巷にいのちを感ずるのは青春の特権なのである。
自己の周囲の空気を稀薄と感じて生きる青春は陋巷に立つ時はじめて、
おのれのいのちが息づきよみがえるのを知るのである。
藤本巧君のいのちもまた、韓くに釜山の風と人に触れよみがえった。
その意味において、この写真集はまぎれもない青春の仕事である


『韓くにの風と人』本文序文より抜粋

旧正月(釜山)

港街(釜山)

農楽隊(釜山)

旧正月(南海)

港街にて(釜山)

理髪商(釜山)

買物客(釜山)

露天商たち(釜山)

港街にて(釜山)

露天商(釜山)

漁夫(釜山)

喧嘩(釜山)

露天商(釜山)

屋台(釜山)

釜山の街















     陽がまだ昇らない釜山の漁港に数隻の小舟が横付けされると、


     露天商の女たちが、大きなお尻でバランスをとりながら、橋桁を渡り、舟に乗り込む。


     (中略)たかが数百メートルの大道での一日であっても、


     旅人は韓国のたくましさを見ることができる。


      NHKテレビ『ハングル講座』フォトエッセイ 藤本巧「露天商の女たち チャガルチ市場・釜山」 より抜粋