飛天の舞
慶州
藤本巧
かって新羅王朝の首都であり、
仏教文化の栄えた都「慶州」に行った。
釜山から高速バスで約1時間20分ほどで、
この街に着く。飛天を舞う学生
昨日まで
喧騒の街「釜山」で撮影していた。
ポジャンマチャ
(屋台をビニールで覆ったテントハウス)
でソジュ(焼酎)を飲み過ぎた旅人は、
バスの中でその揺れにつれて深く寝入ってしまった。瞻星台への地図
古墳
気がつくと、車窓の景色は
いつの間にか一転して、
韓国の原風景が広がっていた。
こぼれるようなレンギョウの黄色い花が、
落ち着いた町並みに溶け込んでいる。石仏
無数の古墳群、王宮や離宮の遺跡、
立派に再建された仏国寺、
南山を中心に散在する石仏の数々。
仏国寺
この地のことを人々は
「屋根のない博物館」と呼んでいる。
陽が沈みかけたころ、
瞻星台(せんせいだい)に
目を向けると、美しい女学生たちが、
民族衣裳を着て「飛天の舞」を踊っていた。瞻星台の前で
旅人はまだ夢の中なのか……。瞻星台の前で舞う学生たち