連載・韓国ひとり歩き 1991.04→1995.03(NHKテレビ アンニョンハシムニカ ハングル講座より抜粋)



飛天の舞

慶州

藤本巧


かって新羅王朝の首都であり、
仏教文化の栄えた都「慶州」に行った。

釜山から高速バスで約1時間20分ほどで、
この街に着く。



飛天を舞う学生


昨日まで
喧騒の街「釜山」で撮影していた。
ポジャンマチャ
(屋台をビニールで覆ったテントハウス)
でソジュ(焼酎)を飲み過ぎた旅人は、
バスの中でその揺れにつれて深く寝入ってしまった。


LinkIcon瞻星台への地図








古墳

気がつくと、車窓の景色は
いつの間にか一転して、
韓国の原風景が広がっていた。

こぼれるようなレンギョウの黄色い花が、
落ち着いた町並みに溶け込んでいる。


石仏


無数の古墳群、王宮や離宮の遺跡、
立派に再建された仏国寺、
南山を中心に散在する石仏の数々。

仏国寺


この地のことを人々は
「屋根のない博物館」と呼んでいる。

陽が沈みかけたころ、
瞻星台(せんせいだい)に
目を向けると、美しい女学生たちが、
民族衣裳を着て「飛天の舞」を踊っていた。

瞻星台の前で

旅人はまだ夢の中なのか……。


瞻星台の前で舞う学生たち