連載・韓国ひとり歩き 1991.04→1995.03(NHKテレビ アンニョンハシムニカ ハングル講座より抜粋)



城邑民俗村

済州島

藤本巧

「済州島の空は、ほんとうに浮気性です」
と、タクシー運転手が言った。
先ほどまで青空が見えていたのに……。



民俗村




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民俗村

後方からスコールのような雨が追っかけてくる。漢拏山の裾野あたりから激しい雨となった。


民俗村の人


ここは済州島古来の暮らしを存続させている保存地区である。老樹巨木のあいだに石垣といくぶん低くなった藁葺き屋根の民家が隣接している。


石のおじさん


道端や民家の陰から島の守護神であるトルハルバン(石のおじさん)がひょうきんな顔で迎えてくれる。


民俗村の人

住民のほとんどが農業に従事している。
観光地化されたなかにも、素朴で温かい空気が村から漂ってくる。
雨が小降りとなり、雲の隙間から青空が見えてきた。

野良仕事からひきあげる村人たちの姿をカメラに収めようと、旅人は村を歩きまわる。



見物客