ウォントマックの古老たち
全羅南道
藤本巧
韓国の古寺巡礼をしていたところ、歪んだ松の自然木の柱に藁葺き屋根を載せた高床式の見張り台、ウォントマックが田園風景の中にポッンポッンと建っていた。
憩う古老たち
全羅南道への地図
その中では、パジ(下衣)・チョゴリ(上衣)の古老たちが、いつもゴロンと昼寝をしたり、花札や碁、将棋を楽しみながら日がくれるまで座していた。
ときには、悠然とキセルを吹かしながら、田圃で働く家族の姿を温かく見守っていた。
食事時になると楊柳の弁当箱を頭に乗せた子供たちがやってくる。
旅人は村々にあるのの憩いの場所で、古老たちを眺めているだけで旅の疲れがとれた。
敬老堂
近代化が進み今はもうこのようなのどかな姿は見られない。
古老たちは、田圃から少し離れた「敬老堂」で過ごすこととなった。小さなオンドル部屋に横になったり、壁にもたれたりして今度はテレビに見入っていた。