連載・韓国ひとり歩き 1991.04→1995.03(NHKテレビ アンニョンハシムニカ ハングル講座より抜粋)



列をはなれて

ソウル

藤本巧

韓国語ができなくても、朝早く起きてソウルの街に一歩踏み込んでみるといい。


韓式食堂街




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ソウル市内の地図


南大門市場の韓式食堂


もうもうと排気ガスをまき散らしながら神風バスが走り、大道では物売りの罵声が響きわたる。「静かな朝の国」のイメージでやって来た者は、この国の喧騒に圧倒されるだろう。



ソウル市内


ホテルで食事をとるよりも、街の韓式食堂のイスに座れば、主品のまわりにサービスの添え物が一杯に広がり、食欲旺盛な韓国人の胃袋に驚かされることになる。








東大門・南大門の市場に立ち寄れば、無造作に積まれた特産品の中からおみやげを手にすることで、仰々しく飾られた免税品よりも旅の思い出が増幅されるはずだ。


仁寺洞の露天商


夜は、路地に出没する屋台で飲む焼酎の酔いが、夜風の冷たさを吹き飛ばしてくれる。
数日の旅であっても、自分の足で歩くことによって、旅人はこの国を旅している自分に気がつくだろう。

東大門市場